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熱流動解析 Thermal Hydraulics Analysis

近年のシミュレーションプログラムは種々の改良により、製品の性能や熱流動現象の解析を高精度に行えます。 このため、製品を開発する際の設計支援ツールとしてCAEが活用されています。また、短期間に低コストで予測することができます。
当社では、汎用プログラムを用いて、製品の性能や熱流動現象の解明を行います。

配管内の圧力損失の予測

  • エネルギープラントにおいて圧力損失を予測することは、流体機械を設計する上で重要な要素となります。圧力損失が大きくなるとエネルギー利用効率が低くなります。熱流動解析では面積変化、曲り、分岐、合流等の圧力損失を予測することで、圧力損失低減のための検討手段として活用されています。

    計算事例は、T継手と90°エルボを流れるガス流体の解析結果として、中央断面の圧力分布を示しています。この解析結果よりT継手と90°エルボを流れるガスの圧力状況が把握できます。これによるとT継手前後で大きな圧力損失が発生し、圧力の上昇や低下部位を画像で確認することができます。

流速分布の予測

  • 流速分布を予測することは、流体機械を設計する上で、装置性能の向上に重要な要素となります。熱流動解析では、任意断面の流速分布を予測することが可能です。また、流速分布の改善対策として、整流板、多孔板などの設置効果を確認することも可能となり、より高性能な機器の設計、トラブル防止対策の検討に活用されています。  
    計算事例は、T継手と90°エルボを流れるガス流体の解析結果として中央断面の流れベクトルを示しています。この解析結果より、T継手と90°エルボを流れるガスの流況が把握できます。T継手の内側流れで大きく剥離しており、T継手から90°エルボの間で偏流しています。この影響は90°エルボ出口を出た直後の直管部の偏流にも影響を与えていることがわかります。

空調設備の温度分布の予測

  • 温度分布を予測することは、身近な空調機器から発電プラントに至るまで様々な分野で必要とされています。熱流動解析では伝熱三要素である伝導・対流・輻射の事象も含めた温度分布を予測することで製品の高効率化、省エネ等を考慮した熱エネルギーの有効利用に活用されています。

    計算事例は、エンクロージャ内部の解析結果として熱を発生するエンジン周りの温度分布を示しています。この解析結果より冷却空気の流れや高温空気の淀み状況から冷却空気の流れを把握することで適切な設計が可能となります。

発熱を伴う機器の熱伝達の予測

  • 伝熱量を予測することは、熱交換器を設計する上で重要な要素となります。流動解析では、強制対流、自然対流等による伝熱状況を計算し、伝熱量や機器表面の温度分布を予測することが可能です。得られた結果より熱応力を評価するための構造解析の境界条件としても活用されています。

    計算事例は、電子機器ラック内部の解析結果として熱を発生する発熱体周りの温度分布を示しています。この結果より(a)の従来型では、外気の取り込み口が一つしかなく発熱体を十分に冷却できていないことがわかります。これに対し、(b)の改良型では、2か所から外気を取り入れることで従来型より冷却効率が高いことがわかります。また、排気ファンの配置を上部側に変更することでラック上部の高温空気の淀みを防いでいます。

容器内の粒子挙動の予測

  • 粒子の挙動を予測することは、化学プロセスでの液体中への気体拡散、環境装置のダスト回収率等の分野で重要な要素となります。熱流動解析では、液体中での気泡の挙動、気体中での固形物の挙動、気体中での蒸発を伴う液滴の挙動等を予測することが可能です。

    計算事例は、撹拌槽の解析結果として撹拌機を運転しているときの様々な粒子径を持つ堆積物の軌跡を示しています。この解析結果より撹拌機の回転によって沈殿物が底に停滞することがないように十分に撹拌できている状況がわかるとともに、渦が発生している状況も把握できます。

流体力の予測

  • 流体力を予測することは、流れの中の構造物の強度、振動を検討する上で重要な要素となります。熱流動解析では、静止している構造物から回転機械(ファン、ポンプ等翼)に加わる力を予測することが可能です。また、定常的な力に加えて振動等の原因となる周期的な変動を伴う力についても予測することが可能です。流体力の予測は、機器設計時の強度検討、振動によるトラブル防止対策の検討等に活用されています。

    計算事例は、走行車両に対する横風の影響の解析結果です。(a)には、横風を受けた車両の周囲の流速ベクトルを示しています。また、(b)には、そのときの静圧分布を示しています。(c)には、車体表面の静圧分布を示しています。これらの解析結果より横風を受けた際に生じる車体周囲の圧力分布から車体が受ける流体力を求めることが可能となります。

濃度分布の予測

  • 濃度分布を予測することは、環境問題、工業製品をはじめ食品機械の製造工程等の分野で必要とされる重要な要素です。熱流動解析では、混合プロセスの状況、大気中への排出ガス拡散状況を予測することが可能です。また、化学反応を伴う混合プロセスについても予測が可能です。濃度分布の予測は、製品の高効率化や環境問題等の分野で活用されています。

    計算事例は、スタティックミキサーの解析結果です。(a)には注入ノズルから放出された液滴の軌跡を示しています。また、(b)にはそのときの濃度分布を示しています。注入ノズル放出直後から出口付近までの各断面における液滴濃度分布より2段のミキサーによって十分に濃度が拡散し均一に混合していることが確認できます。