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構造物/材料評価

STRUCTURE AND MATERIAL INVESTIGATION

社会インフラをはじめとした構造物の調査や、コンクリートや金属などを対象とした各種材料試験・分析を行っています。調査や試験、分析の結果から得られるデータを基に現時点での評価はもちろん、将来予測も行うことで、持続可能な社会の発展と安全・安心なくらしの実現に貢献します。

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構造物調査

高度成長期につくられた多くの構造物・設備などの老朽化が進み、効率的な維持管理が急務となりました。「点検・調査・試験・分析」でそれらの現状を正確に把握し、状態に応じた適切な対策を提案することで、長寿命化に貢献します。

点検

橋梁・トンネル・建築物の点検

  • 点検は、橋梁やトンネル、建築物の維持管理において最も重要かつ最もポピュラーな方法です。
    橋梁やトンネルなどに代表される土木構造物、マンション・学校などの建築物、プラント設備など、様々な構造物に対して、専門技術者が点検を実施します。

橋梁・トンネル・建築物の点検

ドローン点検

  • 人が近接することが困難な箇所には、ドローンを用いて点検を行います。ドローンの活用により、橋梁だけでなく、これまで点検の難易度が高かった煙突や法面といった構造物も点検対象とすることができます。また、ドローンには通常の画像センサ(カメラ)だけでなく赤外線カメラを搭載することもでき、多様な点検ニーズに対応します。

ドローン点検

構造物非破壊検査

鉄筋探査

コンクリート内部の鉄筋の位置やかぶり(コンクリート表面から鉄筋までの最短距離)などの調査を行います。

  • 1電磁波レーダ法

    比較的深い位置(30cm程度)まで探査することができ、鉄筋以外にも空洞や塩ビ管などの非磁性体も検出可能です。

  • 2電磁誘導法

    鉄筋かぶりもしくは鉄筋径のいずれか一方を把握することで、比較的精度よく他方を推定することができます。電磁誘導法では、探査深度10cm程度にある鉄筋などの磁性体の検出と鉄筋径の推定が可能です。

鉄筋探査
鉄筋探査

超音波測定

構造物のコンクリートの強度や内部のひび割れを超音波センサを用いて測定します。

  • 1超音波によるコンクリート強度推定

    「超音波試験(土研法)による新設の構造体コンクリート強度測定要領(案)」に基づき、有資格者(講習受講者:土研)による強度推定を行います。

  • 2超音波によるひび割れ深さ測定

    超音波がひび割れの先端で回折する性質を利用して、センサの距離と伝播時間により、ひび割れ深さの推定を行います。

超音波測定

赤外線調査

コンクリート表面に「剥離」や「うき」などが生じた劣化部位は、健全部とは熱特性が異なります。それを赤外線で調査します。

  • 1赤外線サーモグラフィーによる劣化部位調査

    外気温が変化する際に生じる熱特性の違いを、赤外線画像として確認する手法です。赤外線サーモグラフィーを利用することにより、遠望から広範囲を対象とした調査が可能です。

赤外線調査
赤外線調査

自然電位・分極抵抗

鉄筋コンクリートを用いた構造物における「鉄筋腐食劣化」は、耐荷力の低下などの構造的な影響を与えます。腐食レベルの推定や腐食速度の算出は、構造物の維持管理において重要です。

  • 自然電位測定

    コンクリート中で鉄筋が腐食すると、電位が卑側(マイナス側)に変化するため、それを測定して腐食の可能性を推定します。照合電極をコンクリート表面に当てて鉄筋腐食により変化する自然電位を測定し、コンクリート内部の鉄筋腐食の可能性を推定します。

  • 分極抵抗

    コンクリート表面に電極を設置し、鉄筋へ電流を流します。電流にわずかな変化を与えた際に生じる電圧の変化から分極抵抗を検出し、「鉄筋腐食速度(μA/cm2)」を算出します。

コンクリート試験

構造物における現状の物性値や劣化原因の推定を行うために、施工・点検・調査などによって採取したテストピースを用いた試験を実施します。試験・観察・分析から得られた結果は、適切な施工管理や補修設計などに使用されます。

物性試験

構造物から採取した試料(試験コアなど)を用いて、下記のような各種物性試験を行います。岩石や樹脂などの材料に対しても物性試験を実施することができます。

  • 圧縮強度、静弾性係数試験
  • 中性化深さの測定
  • 塩化物イオン含有量試験
  • 膨張量試験(JCI法、カナダ法)
  • 骨材のアルカリシリカ反応性試験など
物性試験
物性試験

走査型電子顕微鏡(SEM)観察

アルカリシリカ反応により劣化したコンクリートの骨材には、反応成生物(シリカゲルなど)が存在します。走査型電子顕微鏡(SEM)で反応成生物の特徴を観察し、劣化原因がアルカリシリカ反応か否かを判定します。

走査型電子顕微鏡(SEM)観察

電子線マイクロアナライザー(EPMA)分析

コンクリートに浸透した劣化因子の深さを把握するため、採取コアを半割にしてEPMA*1による「面分析」を実施し、劣化因子の分布状況を測定行います。

*1 電子線マイクロアナライザー(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)とは、細く絞った電子ビームを試料に照射し、そのときに発生する元素特有のX線をX線分光器で分光し、それぞれの波長や強度を測定することでどのような元素があるのかを調べる装置のこと。また、X線分光器を特定の元素に対して固定し、電子ビームを試料上で2次元走査することで、元素分布を調べる方法を「面分析」という。

レーダ探査

電磁波レーダーを用い、地中に埋設されている配管や構造物基礎、空洞など、様々な埋設物の位置や深度を探査します。非破壊検査であるため、掘削することなく迅速に地中やトンネル覆工背面の状況をおおまかに推測でき、騒音や振動の心配もありません。

地中探査レーダー

電磁波レーダーを用いた探査機を走査したときに得られる波形データの振幅・位相・反射パターンなどの特徴から、埋設管や空洞などの位置と深さを推定します。用途は下記が代表的です。

  • 地中探査

    地中に埋設されている管や空洞を探査・推定します。

物性試験
  • トンネル覆工背面空洞探査

    トンネル覆工と地山との隙間(空洞)を探査・推定します。

走査型電子顕微鏡(SEM)観察

画像診断

ドローンや高精細カメラなどでコンクリート表面の状態を撮影し、AI技術を活用して画像からひび割れを自動検出します。

AIを用いたひび割れ自動検出技術「ひび検」

コンクリート表面を撮影した画像からオルソモザイク画像を作成し、AIを用いたひび割れ自動検出技術「ひび検」を活用して画像からひび割れを検出します。

AIを用いたひび割れ自動検出技術「ひび検」

走行型トンネル連続画像撮影システム(トンネルトレーサー)

道路トンネルなどの覆工面を交通規制なしで撮影できます。複数台のハイビジョンビデオカメラもしくはラインセンサカメラで同時に対象を撮影することにより、短時間で高画質の展開画像を取得できます。得られた展開画像から劣化状態を確認し、変状図の作成などを行うことができます。

走行型トンネル連続画像撮影システム(トンネルトレーサー)
走行型トンネル連続画像撮影システム(トンネルトレーサー)
走行型トンネル連続画像撮影システム(トンネルトレーサー)

機械試験

機械試験は、材料や機械部品の物理的性質を把握するために重要な試験で、機械部品の設計や製造、安全性の確保などにおいて必要不可欠です。規格外の試験やモックアップによる試験でも豊富な経験と実績を持ち、多様なニーズに応えます。

機械試験では下記のような試験が代表的です。当社は多様な試料に対する試験実績を持っており、様々な試験ニーズに柔軟に対応します。

  • 圧縮試験
  • 曲げ試験
  • せん断試験
  • 疲労試験
機械試験

材料調査

製品・機械が損傷すると製造計画や品質に重大な支障をきたすため、迅速で正確な調査と原因究明が求められます。私たちは、豊富な経験と実績でお客様の目的に合った調査項目のご提案と問題解決に努めます。

外観調査

製品や部品の破損状況・周辺状況を目視やマイクロスコープで観察・調査し、変形状況や拡大様相を確認します。

破面解析

マイクロスコープによるマクロ破面調査と、走査型電子顕微鏡(SEM)によるミクロ破面調査により、破断原因(延性破断・脆性破断・疲労破断・応力腐食割れなど)を特定します。

外観調査 破面解析

形状測定

3D形状測定機や画像計測ソフトによる部材の形状・寸法測定・表面の凹凸測定(粗さ測定)などにより、設計値や健全品との比較を行います。

金属組織観察

顕微鏡による金属組織調査で、き裂の様相や組織異常の有無(熱処理不良など)、介在物・鋳造欠陥などの有無を確認します。

硬さ測定

微小領域の機械的性質を確認するため、硬さ試験機で測定を行います。硬さ試験機では、ビッカース硬さ試験機・ロックウェル硬さ試験機・ブリネル硬さ試験機・現地硬度測定(エコーチップ)に対応しています。

EPMA/EDX分析

電子線マイクロアナライザー分析(EPMA)やエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)を用いて、材質確認などを目的とした成分分析や腐食因子の確認および異物や付着物、介在物などの微小領域の分析まで局所分析(定性・定量・マッピング・ライン分析)を行います。