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アスベスト分析ラウンドロビンテスト委員会が発足

-当社が事務局長として参画-

LAUNCH OF THE ASBESTOS ANALYSIS ROUND ROBIN TEST COMMITTEE

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アスベスト分析に関する専門知識と技術を有する当社は、アスベスト分析ラウンドロビンテスト委員会の事務局長として、アスベスト分析業界の健全な発展を目指す取り組みを開始いたします。

本委員会は、会長に東京科学大学の村山武彦教授、委員長に国立環境研究所の山本貴士主幹研究員、副委員長に労働安全衛生総合研究所の鷹屋光俊所長を迎え、各分野の有識者により設立されました。
当社は事務局長として委員会の活動に参画します。

アスベスト(種類:クリソタイル)

目的と背景

アスベストの飛散によるばく露予防の取り組みとして、分析、調査、飛散漏洩防止などの施策が進められています。アスベスト分析に関しては、偽陰性による労働者や周辺住民への健康被害、また擬陽性による発注者への不必要な経済負担を回避するために、高い技術を持つ分析者と信頼性の高い精度管理体制を持つ分析機関が求められています。

しかし、実建材を用いた分析技能試験は限定的であり、分析機関の精度管理や監査が義務付けられていないのが現状です。また、発注者が信頼できる分析機関を選定するために必要な詳細情報を提供する仕組みも欠けています。

日本国内のアスベスト分析技術のさらなる向上と、分析機関における精度管理・品質保証体制の強化を目的として、諸外国の取り組みを参考にした技能試験プログラム(ラウンドロビンテスト)の導入が進められてきました。
この趣旨に賛同した有識者が中心となり、「アスベスト分析ラウンドロビンテスト委員会」が発足しました。本委員会では、分析機関間での技術レベルの確認や、試験結果を通じた改善活動を促進し、信頼性の高い分析体制の構築を支援していきます。

天井に吹き付けられたアスベスト

委員会の活動内容

1.アスベスト分析業界の適切な発展のための教育・啓発活動

2.アスベスト分析機関の品質向上に向けた教育・啓発活動

3.ラウンドロビンテスト用の実建材サンプルと粉じんサンプルの確保

4.ラウンドロビンテストの実施と分析結果の評価

5.アスベスト分析機関間技能試験プログラムの構築

ラウンドロビンテスト委員会の活動内容

部会活動

1.試料採取保管部会

2.試料送付・結果まとめ部会

3.適正試料分析・評価フィードバック部会

4.広報部会

ラウンドロビンテストによる精度管理

現在、日本国内で実施されている精度管理や実技講習では、人工的に調整された試料やシンプルな実建材試料が用いられています。
一方、現場での建材分析は、多層試料や複数の建材から構成される複合的な試料が多く、適切な試料の採取方法や取り扱い、前処理が求められます。また、分析者の経験や技術が結果に影響を及ぼします。

現行の精度管理の仕組みで「分析の技量あり」と認定されている分析者でも、実試料の分析において適切な対応ができていないケースがあり、実試料に基づく精度管理や分析者の教育の仕組みづくりが必要とされています。

今後の展開

当社は、事務局活動を通じて実試料での技能試験に参加し、分析技術の高品質化を図っていきます。
また、事務局長として当委員会の活動を推進してまいります。